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顧客分析ノウハウ
【セミナーレポート】店舗とECを横断した「顧客分析」の始め方
本記事は、2026年8月27日に、オムニチャネル会員連携アプリ「Omni Hub」を提供するリワイア社と共催したセミナー「リピート売上・LTV向上につながる顧客の可視化とは?」の内容をもとに再構成したものです。 顧客分析は、新しい概念ではない 昔の商人は、顧客台帳を持っていました。 「田中さん。ご来店は2ヶ月に一度。いつもの緑茶。お孫さんへの贈答用」 名前、来店頻度、よく買うもの、購入の背景。商売人はそうした情報を頭と帳面で覚えていて、次に田中さんが来店したときには「そろそろお孫さんのお誕生日ですか」と声をかけることができました。 顧客分析とは、本来この「顧客台帳」のことです。決して新しい概念ではありません。 ところがECの時代になり、状況は少し変わりました。 データは増えたのに、人が見えにくくなったのです。 管理画面を開けば、売上、注文数、CVR、アクセス数など、さまざまな数字を見ることができます。しかし、「この人は誰なのか」「また買ってくれるのか」「何を気に入っているのか」は、なかなか見えてきません。 ECでは「数字」は見える。でも「お客様」は見えにくい。これが、多くのストアが抱えている課題です。 売上分析と顧客分析は別物 「分析ならやっています。毎週、売上レポートを見ています」という方は多いと思います。 もちろん売上分析は大切です。ただ、売上分析と顧客分析は、主語が違います。 売上分析 顧客分析 主語 注文 人 問い 何が起きたか だから何をするか 見るもの 売上・注文数・AOV LTV・リピート率・購入間隔 時間の扱い ある期間を切り取る 同じ人を追いかける アウトプット 報告 施策 どちらも必要です。ただし、「次の一手」につながりやすいのは顧客分析です。 売上分析は、「先月の売上が10%落ちた」という事実を教えてくれます。しかし、それだけでは「誰に、何をすべきか」までは分かりません。そのため、売上レポートの会議は「来月は頑張りましょう」で終わってしまいがちです。 一方で顧客分析は、「初回購入から30日を過ぎても戻ってこない人が増えている」といったことを教えてくれます。ここまで分かれば、対象も打ち手も自然と見えてきます。 EC時代の顧客台帳は、セグメント単位で作る とはいえ、数千人、数万人の顧客がいるECで、1人ずつ台帳をつけるのは現実的ではありません。 そこで必要になるのが、「似た人のかたまり」で見ることです。これがセグメントです。 たとえば、次のようなかたまりです。 初回購入から30日以内の人 年3回以上購入している人...
F2転換率を上げるいちばんの近道は、初回に買った商品に合わせて「次のおすすめ」と「送るタイミング」を変えることです。このレシピでは、リピート顧客の購買パターンから2回目の売れ筋と買われるタイミングを洗い出し、それをそのまま自動配信のフローに落とし込むまでの流れを紹介します。
課題
F1顧客へのフォローメールが、全員に同じ内容・同じタイミングで送られているストアは多くあります。
でも実際には、初回にAを買った人とBを買った人では、次に買うものも、次が来る時期もまったく違います。その違いが配信に反映されていないと、メールは誰にも刺さらず、F1止まりの顧客が積み上がっていきます。
解決策
すでにF2に到達している顧客を参考にシナリオを組み立てていきます。
リピートしている顧客を初回購入商品ごとに分けて、「1回目に何を買い、2回目に何を買ったか」のパターンと、1回目から2回目までの購入間隔を洗い出します。たとえば「商品タイプA→商品タイプB、平均間隔90日」というパターンが見つかったとします。
そうしたら、「初回にAを買って、60日経ってもまだ2回目を買っていない人」というセグメントを作り、顧客タグを自動連携して、タグが付いたらBをおすすめするメールが飛ぶようにFlowを組みます。
顧客分析ツールのセグメントは毎晩のデータ同期で更新されるので、「今日ちょうど60日を迎えた人」が毎晩自動でセグメントに入り、タグが付き、メールが届きます。一度Flowを設定すれば、ターゲットの顧客に自動でメールが配信されます。2回目を買った人は購入回数の条件から自動で外れてタグも外れるので、誤配信の心配もありません。
手順
1. セグメント作成
購入回数2回以上の顧客をセグメントする
2. 分析
各セグメントの購買行動から、「1回目の商品×2回目の商品」のパターンを表に整理する(A→B、B→A、C→Dのように)
商品の粒度が粗すぎる場合は商品バリエーションで、細かすぎる場合は商品タイプや商品タグで分け直す
各セグメントのF1→F2の再購入間隔を確認する
F1の人数が多い入口タイプ上位2〜3つに絞り、それぞれ「2回目におすすめする商品」と「タイミング(平均間隔の6〜7割の日数)」を決める
3. 施策
入口タイプごとに配信用セグメントを作る(購入回数が1回、初回購入商品タイプがA、最終購入からX日以上経過)
顧客タグの自動連携をONにする(例:f2-flow-type-a)
配信ツール側で、タグ付与をトリガーに「2回目のおすすめ商品」を案内するメールを設定する(Flowの設定)
必要なら2通目として、平均間隔の1.5倍を超えてもF1のままの人向けに、クーポン付きの離脱防止メールをもう1段組む
4. 振り返り
週次で、各セグメントの人数推移・配信数・開封率とクリック率を確認する(フローがちゃんと回っているかの確認)
月次で、入口タイプ別のF2転換率をフロー開始前と比較する(効果の判定はここで行う。F2転換には時間がかかるので、判定は配信開始から1〜2ヶ月待つ)
パターンや間隔が変わっていたら、メールの内容と日数を更新する
応用例
入口の切り口を差し替えると、同じ仕組みがそのままいろいろな施策になります。
店舗クロスユース促進:入口を「初回購入店舗」に替えると、店舗で初めて買った人にECの2回目を促すフローになります
広告経由顧客の育成:入口を「初回の流入元」に替えると、広告ごとに2回目のおすすめと送りどきを変えられます
ギフトから自家用への転換:ギフト購入を入口にして、自家用の定番商品を行き先に置きます
離脱防止フローの切り出し:手順3の2通目(平均間隔の1.5倍を超えたF1向け)だけを独立させると、そのまま休眠予防の仕組みになります
まとめ
分析して終わりではなく、見つけたパターンをそのまま自動配信につなげるところまでがこのレシピです。仕込みさえ済ませれば、あとは週次のチェックだけでF2転換の打ち手が回り続けます。
まずはF1の人数がいちばん多い入口をひとつ選んで、小さく回し始めてみてください。
ECPowerでは「初回購入月ごとの顧客のリピート行動」を追いかけることができるコホート分析をご提供しています。 本ガイドでは、コホート表の見方と、売上改善への活用ポイントをご紹介します。 コホート分析とは? 共通する属性を持つ顧客グループ(=コホート)の行動を、時間経過で追跡する分析手法です。ECPowerでは「初回購入した月」を基準に、顧客のLTVやリピート率の推移をチェックできます。 コホート表の見方 コホート分け(赤枠) 初回購入した年月ごとに顧客をグループ化しています。 コホート人数(青枠) その月に初回購入した顧客の人数を表示します。 実際の読み方(例:2025年7月コホート:緑枠) 2025年7月に初回購入した顧客は 33人(コホート人数)。初回購入時点での LTVは¥2,354 です。 その後、 初回購入から 1ヶ月以内の累計LTV:¥2,405 初回購入から 2ヶ月以内…(以降も同様) というように、時間経過ごとの顧客価値の積み上がりを追うことができます。 LTV(顧客生涯価値) 表示内容 初回購入からの累計購入金額を、コホート人数で割った平均値を表示します。どの月に、1人あたりの売上がどれだけ積み上がっているかを確認できます。 見るべきポイント 何ヶ月目まで継続して伸びているか どの月で成長が止まっているか 施策実施後のコホートが改善できているか 活用方法 投資回収のタイミング(CPA回収)把握 顧客育成に効果が高い施策月の特定 高品質な集客チャネルの評価 平均購入回数 表示内容 初回購入からの累計注文数を、コホート人数で割った平均回数を表示します。 見るべきポイント リピートが発生しやすい月(再購入タイミング) 顧客が継続的に関わってくれているか 回数に伸びが見られるコホートはどの月か...
「顧客分析」という言葉を聞いて、具体的に何をすることか、すぐに思い浮かぶでしょうか。ある人はダッシュボードを眺めることだと言い、ある人はRFM分析のことだと言い、ある人はメルマガを配信することだと答える。同じ言葉なのに、指しているものがみんな違います。 そこでこの記事では、顧客分析という言葉に、一つの定義を置いてみます。顧客分析とは、お客様を真ん中に置いて、もう一度買ってもらうこと、つまりリピートで売上を育てていく営み全体のことです。一回きりの作業ではありません。分けて、知って、試して、変化を見て、また分け直す。これがぐるぐると回り続ける、その営み全体を指します。 新しいお客様を集めることが「点」だとすれば、顧客分析は、すでにいるお客様から売上を育てていく「線」の話です。一度きりの取り組みではなく、回し続けることで効いてくる。まずはこのイメージを持ってください。 売上で見るか、顧客で見るか 多くのお店で行われている分析は、売上を分解して見ることです。売上は、注文数と単価に分解されます。さらに、商品ごと、チャネルごと、月ごとに割っていく。こうして並べた指標は、「今、何がいくら売れたか」をきれいに反映してくれます。 ただ、売上分析には弱点があります。「何が起きたか」は見せてくれるのですが、「なぜそうなったか」と「だから何をすればいいか」は教えてくれません。 たとえば、今月の売上が先月より落ちたとします。売上を分解した指標は、「売上が落ちた」「注文数が減った」というところまでは見せてくれます。でも、その注文数が減った理由が、新しいお客様が来なくなったからなのか、それとも、いつも買ってくれていたお客様がいなくなったからなのか。そこは分かりません。理由が分からなければ、打ち手も決まりません。 ここで、見るものさしを変えます。主語を「売上」から「人」に置き換えるのです。誰が買ったのか。その人にとって何回目の買い物なのか。前と比べて、どのお客様が動いて、どのお客様が止まったのか。同じ売上の数字でも、人を主語にして見直すと、まるで違う景色が見えてきます。新規が減ったのか、常連が離れたのか。落ちた原因がはっきりして、「だったら、このお客様にこう声をかけよう」という次の一手まで出てきます。 売上を分解した指標が「結果を見るもの」だとすれば、顧客起点の見方は「原因と打ち手まで出すもの」です。この違いはとても大きくて、顧客起点で見ると、指標がそのまま行動につながります。「で、結局何をすればいいの」という、分析でいちばん詰まりやすいところが消えるのです。 顧客分析のループを回す では、顧客を真ん中に置いた分析が、実際にはどう進むのか。ここでは、「初回の購入から30日たっても、まだ2回目を買っていないお客様」を例にします。 1. 顧客を分ける まず、お客様をひとかたまりのセグメントに切り出します。最初から細かく切る必要はありません。「初回から30日、リピートなし」くらいの粗さで十分です。回していくうちに、ちょうどよい切り方は自然と見えてきます。 2. 状況を知る セグメントに切り出したら、その人たちの状況を知ります。 ここで見るものは2つあります。ひとつは数字です。最終購入からの日数、買った金額、初回に選んだ商品。もうひとつは行動です。その後サイトに戻ってきているのか、メールは開いているのか、何かを見たけれど買わなかったのか。 数字が「今この人たちがどういう状態か」を教えてくれて、行動が「その背景に何があるか」を教えてくれます。両方をセットで見るのが大事です。 3. ニーズを問う 状況が分かったら、問いを立てます。「この人たちは、何を求めているのだろう」。そして、その答えを仮説として一文で言い切ります。たとえば、「商品自体は気に入ってくれたけれど、もう一度買う理由やきっかけがないまま、なんとなく離れかけている人たち」。きれいに当てる必要はありません。あとで確かめられるように、言葉にして残しておくことが大切です。 4. 施策を試す 仮説が立ったら、それに対する打ち手を選びます。さきほどの仮説なら、「もう一度買う理由をこちらから差し出す」ことになります。次に使えるクーポンを送る、相性のいい商品を勧める、使い方を伝える。 届け方は2通りあります。ひとつは一括での配信で、今このセグメントにいる人へ、メールやLINEでまとめて送ります。もうひとつは自動での配信で、これは次の章でくわしく触れます。 5. 変化を見る 送ったら、結果を見ます。ただ、見るべきは、メールの開封率やクリック率ではありません。それは「ちゃんと届いたか」の確認にすぎません。 本当に見たいのは、このセグメント全体がそのあとどう動いたかです。30日リピートなしだった人たちのうち、何人が2回目を買ったのか。離れていく人の割合は減ったのか。一人ひとりではなく、かたまりとしての動きを見る。ここが、配信して終わりにする普通のやり方と、顧客分析がいちばん違うところです。 これで、ひと回りです。分けて、知って、問うて、試して、変化を見る。この一周が、顧客分析のいちばん小さな単位になります。 このループを回すと、何がいいのか 顧客分析のループの形が見えたところで、これを回せるようになると、お店に何が起きるのかを整理しておきます。いいことは、大きく3つあります。 1. 売上の中身が変わる 新しいお客様を広告で集め続けて売上を立てるやり方は、広告費が止まれば売上も止まります。一方、すでにいるお客様にもう一度買ってもらう売上は、集める費用がほとんどかかりません。ループを回すほど、リピートで積み上がる売上の比率が増えていきます。同じ売上でも、足元のしっかりした売上になっていきます。 2. 分析が打ち手に直結する さきほどの「で、結局何をすればいいの」が消えます。お客様を真ん中に置くと、分析の出口に必ず「誰に、何をするか」が出てきます。見て終わり、グラフを眺めて終わり、ということがなくなります。 3....
顧客分析でやりたいことは、突き詰めるとシンプルです。それは、お客様一人ひとりを理解して、最適な人に、最適なタイミングで、最適な訴求を届け、もう一度買ってもらうことです。 今回は、それを「商品」の視点で考えてみます。 お店には商品がたくさんあって、どれをどう分析すればいいのか、入り口でつまずきやすいところです。多くのお店では、商品を売上ランキングで見て終わりになります。よく売れている順に並べて、上のほうを大事にして、下のほうは見直しの対象にする。一見もっともらしいのですが、この見方だけだと、よく売れている商品しか主役になりません。 この記事で整理したいのは、商品を「売上」で見るのをやめて、「顧客をどう動かすか」で見る方法です。同じ商品でも、見るものさしを変えると、評価がまるごと入れ替わります。 商品を「売上」で見ると、何が見えないか 売上ランキングが教えてくれるのは、「その商品が今いくら売れたか」だけです。その商品を買った人が、そのあとどうなったのか。もう一度戻ってきたのか、それきりいなくなってしまったのか。そこは何も教えてくれません。 例えば、広告でよく売れる商品Aがあったとします。数字の上では立派な売れ筋です。ところが、Aから入ったお客様は、なぜか二度と戻ってきません。一方で、ランキングでは地味な位置にいる商品B。これを最初に買った人は、その後も繰り返し買ってくれて、常連になっていきます。売上ランキングだけを見ていると、Aが主役でBは埋もれます。でも、お店の未来を作っているのは、本当はBのほうです。 「よく売れている商品」と「いいお客様を連れてくる商品」は、必ずしも一致しません。 商品には「役割」がある そこで、見方を変えてみます。商品を、お客様の一連の買い物のなかで、どんな働きをしているかで見るのです。 どの商品も、お客様との付き合いのなかで、何かしらの役割を担っています。大きく分けると、3つです。 入口商品:お客様がそのお店で最初に出会う商品 つながり商品:次の買い物を呼ぶ商品 定番商品:繰り返し買われ、お店につなぎとめる商品 同じ商品が、いくつかの役割を兼ねることもあります。大事なのは、商品棚を「売上順」ではなく「役割」で並べ直してみることです。そうすると、これまで埋もれていた商品の働きが見えてきます。 入口の商品:最初の商品が、その後を決める お客様が最初に買った商品は、その後の付き合い方をほとんど決めてしまいます。最初のひと品で、その人がお店とどう付き合っていくかが、だいたい決まってしまう、と言ってもいいくらいです。 見方はシンプルです。初回に買った商品ごとに顧客セグメントを分けて、その後のLTVやリピート率を並べます。すると、「どの商品から入った人が育っているか」が見えてきます。その後よく育つお客様を連れてくる商品と、一度きりで終わってしまう商品が、はっきり分かれます。さきほどのAとBのように、広告で売れる商品と、いいお客様を連れてくる商品が別物だったことが、ここで数字になって現れます。 入口が見えると、打ち手も変わります。いいお客様を連れてくる商品は、広告でもトップページでも、初回のおすすめでも、いちばん目立つ場所に置きます。逆に、入ってきた人が育たない商品は、広告から外したり、見せ方を見直したりします。新規のお客様が最初に出会うひと品を、意図して選べるようになります。 新商品も、同じ見方ができます。新しい商品を出したとき、つい「いくら売れたか」で評価しがちですが、本当に見たいのはその中身です。新しいお客様を連れてきたのか、それとも、いつものお客様が買い回っただけなのか。ここが分かると、新商品の評価がぐっと正確になります。 次につながる商品:次の購入を促進する 入口の次に見るのは、ある商品を買ったお客様が、その次に何を買うかです。 ここで見るのは、同時に買われたものではなく、時間を置いて次に来るものです。A商品を買った人が、その後30日、90日、180日の間に何を買っているか。これを集計すると、「Aの次はB」「Bの次はC」という、お客様の自然な流れが見えてきます。「次に何を勧めるか」を、これまで経験や勘で決めていたところを、実際の購買データで決められるようになります。二度目の購入でよく選ばれる商品が分かれば、初回のお客様へのフォローで何を勧めればいいかも、はっきりします。 この「次」には、2つの方向があります。ひとつは、同じカテゴリーのなかで、一段上の商品へ進んでいく流れです。お試しサイズから本商品へ、ベーシックから上位グレードへ。これがいわゆるアップセルにあたります。もうひとつは、別のカテゴリーの、補い合う商品へ広がっていく流れです。本体を買った人が付属品を買う、シャンプーを買った人がトリートメントを買う。こちらがクロスセルです。同じ次のひと品でも、上に伸びるのか、横に広がるのか。両方を見ておくと、勧める商品の選び方が変わります。 打ち手としては、フォローメールやLINEで勧める商品をこの流れに合わせて差し替えたり、商品ページの「よく一緒に買われている商品」を入れ替えたり、セットやギフトボックスの中身を組み直したりできます。 定番になる商品:繰り返し買われ、つなぎとめる 入口や次のつながりが「お客様が動く」話だとすれば、定番は「お客様がとどまる」話です。 見るのは、その商品を、同じ人が繰り返し買っているかどうかです。一人のお客様が何度も買っている商品はどれか。一人あたりの購入回数が多い商品はどれか。こうして見ると、お客様をお店につなぎとめている商品が浮かび上がってきます。 こうした商品を持っているお客様は、なかなか離れません。逆に、毎回ちがうものをばらばらに買っているお客様は、ふっといなくなりやすいものです。だからこそ、定番を持っているお客様と持っていないお客様で、リピート率や離れやすさを比べてみる価値があります。 ここで気をつけたいのは、入口で売れる商品と、定番になる商品は別物だということです。最初のひと品としてよく選ばれる商品が、そのまま何度も買われる商品になるとはかぎりません。両方を分けて見ておくと、「最初に出会ってもらう商品」と「そのあと定番になってもらう商品」を、それぞれ意図して育てられます。 定番には、買い直しの周期があります。だいたいこのくらいの間隔で次が来る、という波です。この波が分かれば、ちょうど切らしそうなタイミングで声をかけられます。定番になりそうな商品を、入ってきたばかりのお客様にうまく橋渡ししたり、定期便やサブスクに乗せたり、周期に合わせてフォローしたり。つなぎとめる商品をめぐる打ち手は、ここから広がります。 どの単位で見るか ここまでは、一つひとつの商品を単位にした話でした。でも、この「役割で見る目」は、見る単位を変えても、そのまま使えます。 ひとつ大きくして、商品のタイプやカテゴリーでまとめて見ると、細かなばらつきが消えて、大きな傾向が見えてきます。たとえば、スキンケアから入った人と、メイクから入った人。どちらが育っているかを比べると、それはもう個別の商品の話ではなく、どの商品ラインを伸ばすかという、品揃えの方針の話になります。 このとき、まとめ方はカテゴリーだけにしばられません。色味、デザインの雰囲気、用途、価格帯、サイズ展開の多さ。お客様が「これにしよう」と思うときに効いていそうな特徴で、商品をまとめることもできます。すると、「明るい色から入った人は育ちやすい」「ギフト用途で入った人は定番になりにくい」といった、特徴ごとの傾向が見えてきます。どんな特徴を持つ商品が、どんなお客様に選ばれているのか。これが分かると、次の商品を企画するときの土台になります。 逆に、ひとつ細かくして、同じ商品のバリエーションで見ることもできます。同じ商品でも、どの色から入った人が育つのか、どのサイズが、どの味が育つのか。ここまで下りると、話は具体的な打ち手になります。主力にすべきバリエーションはどれか、押し出すべき味はどれか。 まとめて見れば方針の話になり、細かく見れば実行の話になります。同じ分析でも、見る単位しだいで、戦略にも打ち手にもなる。ここが、単位をずらして見ることの面白いところです。 共通する考え方 入口で見ても、つながりで見ても、定番で見ても、どの単位で見ても、測っているものさしは一つです。 「その商品を買った人が、その後どう育ったか」...
顧客分析でやりたいことは、突き詰めるとシンプルです。お客様一人ひとりを理解して、最適な人に、最適なタイミングで、最適な訴求を届ける。そうやって、もう一度買ってもらう。 その「最適なタイミング」を、自然に作ってくれるものがあります。イベントです。1年を振り返ってみると、お客様が何かを買う理由が生まれる日が、あちこちに点在しています。母の日、夏のシーズン、年末の大型セール、そして一人ひとりの誕生日。こうした日は、お客様の気持ちが動きやすく、ふだんより一歩前に出やすいタイミングです。 ただ、多くのストアでは、こうした日を「その日の売上」だけで見て終わってしまいます。「今年の母の日は去年より売れた」「セールで○○円の売上が立った」。そこで止まると、せっかくのイベントが半分しか活きません。 この記事では、イベントを売上の日で終わらせず、顧客分析の起点として使う方法を整理します。 イベントの種類 ひとくちにイベントといっても、中身はさまざまです。大きく分けると、2つの系統があります。 単発イベント お店が自分で仕掛けるもので、日付をお店側で決められます。暦とは関係なく、好きなタイミングで起こせます。 値引き・特典(50%OFFセール・タイムセール・クーポン配布・ポイント2倍・送料無料) 商品の打ち出し(新商品の発売・再入荷・予約販売・コラボ商品の発売) 売り場・体験(ライブコマース・ポップアップ・催事出店) カレンダーイベント 毎年、決まった時期にやってくるものです。日付はお店が決めるのではなく、もともとカレンダーで決まっています。 シーズン(春夏、秋冬など) 長期休み(夏休み・年末年始・ゴールデンウィーク) 年中行事(母の日・父の日・バレンタイン・クリスマス) 毎年決まった時期のセール(BFCM・年末セール・周年セール) 一人ひとりの記念日(誕生日・記念日) 種類はいろいろありますが、共通点は2つです。どれも「お客様が買う理由が生まれる」日であること。そして、どれも「繰り返し巡ってくる」ことです。この2つがあるおかげで、どのイベントも同じやり方で分析でき、しかも何度も繰り返し使えます。 イベントを「売上の日」で終わらせない イベントをその日の売上だけで見ると、大事なことを見落とします。 たとえばセールで100万円の売上が立ったとして、その中身が、新しく来てくれた人なのか、いつも買ってくれる常連さんが安いから前倒しで買っただけなのか。これは売上の数字だけでは分かりません。前者なら新しいお客様が増えたことになりますが、後者なら、来月買うはずだったものが今月に移っただけ、ということもあります。同じ100万円でも、中身はまったく違います。 イベントの本当の価値は、その日の売上ではなく、その前後にあります。イベントは毎年・毎シーズン繰り返し巡ってくるので、2つの使い方ができます。ひとつは、お客様の状態を見つめ直す定点観測のタイミングとして。もうひとつは、お客様にもう一度声をかける自然なきっかけとして。「母の日なので」「夏が来たので」と言えば、それだけで案内を送る理由になります。ふだんは連絡しづらいお客様にも、イベントなら自然に近づけます。 イベントでやるべき3つのこと イベントの種類が単発型でもカレンダー型でも、やることは変わりません。次の3つです。 1. 獲得したお客様が育っているかを見る これは売上に頼らない見方です。「去年のこのイベントで初めて買ったお客様」というセグメントを作って、そのセグメントの今のLTVやリピート率を見ます。1年経った今、リピートして育っているのか、それとも一度きりで終わっているのか。 イベントごとにこのセグメントを作って並べれば、比較もできます。「去年の母の日に初めて買った人」と「去年の夏に初めて買った人」を見比べると、どのイベントが育つお客様を連れてきたのかが分かります。その日いくら売れたかではなく、そのとき来てくれた人が、その後どれだけ育ったか。同じ売上でも、育つお客様を連れてきたイベントと、その日だけで終わるお客様を連れてきたイベントとでは、価値がまったく違います。育つお客様を連れてきた回に、どんな商品が入口だったのかまで分かれば、次のイベントの主役にできます。 2. 前回買ってくれた人に、今回も声をかける イベントは繰り返し巡ってくるので、「前回このイベントで買ったお客様」というセグメントが、毎回できあがります。このセグメントを作って、今年のイベントが近づいたら、少し早めに案内を送ります。 去年の母の日に買ってくれた人は、今年の母の日も動く可能性が高い。去年の誕生日に何か買った人は、今年も誕生日が近づいています。相手にとっても、ちょうど欲しくなる時期に案内が届くので、押しつけになりません。 3. まだ買っていない人に、きっかけを届ける 逆の見方もできます。「ふだんは買ってくれているのに、このイベントではまだ買っていないお客様」というセグメントを作って、そこに絞って案内を送ります。 母の日のギフトは別の店で買っているお客様かもしれませんし、しばらく買っていなくて、そのまま離れかけているお客様かもしれません。そういう人にとって、イベントは「もう一度買ってもらうきっかけ」や「久しぶりに戻ってきてもらうきっかけ」になります。全員に同じ案内を送るのではなく、このセグメントに絞ると、伝える内容も作りやすくなります。 まとめ イベントにはいろいろな種類がありますが、やることはどれも同じ3つです。獲得したお客様が育っているかを見る。前回買ってくれた人に、今回も声をかける。まだ買っていない人に、きっかけを届ける。一度この型を覚えてしまえば、母の日にも、夏のシーズンにも、セールにも、誕生日にも、同じように使えます。 そしてイベントは、一度きりではありません。何度も巡ってきます。1回やって終わりにせず、イベントが来るたびにこの3つを回していくと、そのたびにお客様の状態が分かり、声をかける相手が見つかります。その積み重ねが、集客とLTVの土台になっていきます。...
顧客分析がめざすのは、突き詰めるとシンプルです。注文データから顧客の動機や嗜好を読み取り、最適な顧客に、最適なタイミングで、最適な訴求を届ける。そうやって、もう一度買ってもらう。 その出発点になるのが、注文データです。誰が、いつ、何を、いくらで買ったか。この記録を分析することで、顧客の姿を描いていきます。ただ、注文データだけではどうしても届かないところがあります。この記事では、そこをアンケートでどう補うかを整理します。 注文データだけでは見えない情報がある 注文データから分かるのは「何を・いつ・いくらで買ったか」、つまり顧客がやったことです。 その裏にある「誰が・なぜ買ったのか」までは、注文データには映りません。たとえば、その人の性別。何を決め手に選んだのか。誰のために、どんな場面で使うつもりで買ったのか。こうした情報は、いくら注文履歴を眺めても出てきません。 もちろん、購入商品や購入パターンから「たぶんこういう人だろう」と想像することはできます。けれど、それはあくまで想像です。想像で埋めているうちは、訴求の精度にも限界が残ります。最適な顧客に、最適なタイミングで、最適な訴求、と言っても、肝心の「その人が誰なのか」がぼやけたままだからです。 映らないなら、顧客自身に聞けばいい。それがアンケートの役割です。 性別、購入の動機、使うシーン、満足度。こうした注文データに表れない情報を、顧客に答えてもらって付け足していきます。注文データが行動の記録だとすれば、アンケートは本人にしか分からない情報を引き出す手段です。この2つが揃うと、顧客の輪郭がはっきりしてきます。 アンケートは取るだけでは意味がない アンケートは、取った後のほうが大事です。 アンケートツールでフォームを作って回答を集め、管理画面の円グラフを眺める。ここで止まってしまうと、「へぇ、4割がInstagram経由なんだ」で終わります。それは情報ではありますが、まだ何も生んでいません。 アンケートが効果を生むのは、次の流れまでやり切ったときです。 回答を、一人ひとりの顧客に紐づける 回答内容で顧客をセグメントに分ける セグメント別に LTV・F2率・購入間隔などを分析する 分かったことをもとに施策を打つ ここまでやって初めて、アンケートは集めた声から動かせる資産に変わります。逆に言えば、紐づけと分析を飛ばしてしまうと、どれだけ回答を集めても円グラフ止まりです。 技術的な前提として、回答がShopifyの顧客(顧客タグやメタフィールド)に紐づいていることが欠かせません。回答がアンケートツールの中だけに溜まっていて、顧客一人ひとりと結びついていないと、セグメントが作れず、分析にも施策にも使えないからです。集計結果としてではなく、顧客に貼られたラベルとして残すことが必要です。 アンケートで聞く4項目 では、何を聞けばいいか。原則は、注文データからは想像できないことを聞く、ということです。注文データを見れば分かることを聞いても、ラベルとしての価値は生まれません。 聞くべきは、次の4項目です。 1. 購入動機 経路(どこで知ったか)と動機(なぜ買ったか)の2つに分けて聞きます。 分類軸 質問 項目例 活用方法 認知経路別 何で知りましたか Instagram・Google・友人紹介・店舗 など 経路別に LTV/F2率 を比較し、高 LTV の経路に予算を寄せる 購入動機別 購入の決め手は何でしたか...
ポイントアプリを入れているストアは多いと思います。管理画面を開けば、今月の発行ポイント、使用ポイント、残高といった数字が並んでいます。 ただ、その数字を眺めていても、「ポイント制度は効いているのか」「失効通知メールを送って終わりになっていないか」という問いには答えられません。 ポイントは、発行した時点では「将来の値引き義務」というコストですが、使われれば売上のきっかけになる資産でもあります。いまコストとして溜まっているだけなのか、ちゃんと資産として動いているのか。これを見極めて、動かして、答え合わせをする。この流れを毎月繰り返すのが、ポイント分析の基本です。 この記事では、ポイント分析でやるべきことを3つのステップに絞ってお伝えします。 ポイントは「次に戻る理由」 ポイントを発行するというのは、要するに顧客に「次に戻る理由」を渡している、ということです。持っている限り、顧客は「使い切らないと損だな」と感じてストアに戻ってくる。ポイントの役割は、ほぼこれに尽きます。 だとすると、分析でやることも自然と決まってきます。 ステップ1:診断 — ポイント制度はそもそも効いているか ステップ2:分類 — 今月、誰に何をするかを決める ステップ3:実行 — 失効が近い顧客にナッジを送る 3つは独立した分析メニューではなく、診断 → 分類 → 実行 → 翌月の答え合わせ、という1本の流れになっています。 ステップ1:ポイント制度が効いているかを診断する 最初にやるのは、ポイント制度のヘルスチェックです。これは年に1〜2回でいいです。 過去1年で2回以上購入した顧客に絞り、「ポイントを使ったことがある人」と「使ったことがない人」に分けて、次の3つを比較します。 LTV:1人あたりの累計購入額 購入回数:1人あたりの平均購入回数 購入間隔:購入と購入の間の平均日数 LTVだけだと「金額差」しか見えませんが、3つ並べると「ポイントが何を変えているか」が見えてきます。たとえばLTVは高いけど購入間隔は変わらない、という場合、ポイントは客単価には効いているけれど来店頻度には効いていない、という読み方ができます。 結果の読み解き方 パターン 意味 打ち手 使用ありの3指標が全部高い ポイント制度はしっかり効いている 現状維持、ステップ2・3で磨き込む LTVだけ高い 客単価には効くが、来店頻度には効いていない 来店動機につながる施策(誕生日ポイント、来店ポイントなど)を追加 購入間隔だけ短い 来店頻度は上がっているが、1回あたりは伸びていない 「◯円以上で2倍」など、バスケット拡大施策を追加...
ロイヤリティランク制度、ちゃんと活用できているでしょうか。 ロイヤリティアプリを入れて、ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナのランクを作ったけれど、運用が止まってしまっているストアは、かなり多いです。 この記事で紹介するのは、3つのステップに絞ったランク分析の進め方です。これを実行するだけで、ランク制度の効果は何倍にも変わります。 順に説明していきます。 ランク制度は何のためにあるか ロイヤリティランク制度は、顧客に「もっと購入する理由」を与えるための仕組みです。 ゴールドになると送料無料、プラチナになると先行販売、といった特典の階段がある。顧客はその階段を意識しながら買い物をするなどという形で設計されているはずです。 ということは、分析でやるべきことも3つに絞れます。 いま顧客はどのランクに何人いるのか(分布を知る) 上のランクに上がれている人はいるのか(動きを知る) あと少しで上がれそうな人を、後押しできるか(介入する) ランクごとのLTVをただ並べても、この3つはどれも分かりません。「プラチナ顧客はLTVが高い」というのは、定義からしてほぼ当たり前の話です。たくさん買ったからプラチナなのであって、それを見て「プラチナを増やそう」と思っても、肝心の増やし方は分からないままです。 知りたいのは「プラチナの人は優秀」ということではなく、「どうすればプラチナになる人を増やせるか」のはず。今回の3ステップは、その問いに答えるための順番になっています。 ステップ1:ランクごとの顧客の分布を知る 最初にやる事は、ランクごとの人数を知ることです。 LTVも金額も、いったん要りません。人数だけです。 なぜ人数だけでいいのか。ピラミッドの「形」を見るだけで、制度が機能しているかどうかは、ある程度判定できるからです。 上が極端に薄い、たとえばプラチナが全体の0.5%未満しかないようなときは、閾値が高すぎて誰も到達できていない可能性があります。 中位のシルバーからゴールドあたりに人が滞留している場合は、次の閾値が遠すぎて、駆け上がる動機が消えてしまっています。中位の特典と上位の特典の差が見合っていないことが多いです。 下位のブロンズに顧客が固まっていてほとんど動かない場合は、入口は機能していても、昇格の仕組みがほぼ働いていないということになります。 健全なピラミッドに絶対的な正解はありませんが、ひとつの目安としては「上にいくほど人数は減るけれど、減り方が緩やかで連続的」であること。極端な段差や、特定の階に人が貼り付いている形は、設計のどこかにひずみがあることが多いです。 月次で記録する ピラミッドは一度描いて終わりではなく、月次でスナップショットを残すことに意味があります。 3か月、6か月と並べていくと、いろいろなことが見えてきます。形が安定していれば制度が均衡している。中位が膨らみ続けていれば、昇格しやすいわりにその上に登れていない、つまりしきい値の見直しサインです。上位が痩せ続けていれば、既存上位顧客が降格・離脱している、特典の陳腐化サインです。 ステップ1は、制度の健康診断です。異常値が出たときに、ステップ2や3で具体的な打ち手につなげるための土台になります。 ステップ2:「あと少しで昇格」層にナッジを送る ここがこの記事の本丸で、ランク分析でいちばん売上に直結するのはこれです。 行動経済学に「ゴール勾配効果」という現象があります。人は、ゴールに近づくほど、それを達成しようとする努力を強める、というものです。 スタンプカードがあと1個で埋まるときに、わざわざ立ち寄ってお店に行く。マラソンのラストスパート。プログレスバーが90%まで来たアプリは閉じにくい。いずれも、同じ心理の現れです。 ロイヤリティランクも、これとまったく同じ構造をしています。「あと5,000円でゴールド」という情報を持っている顧客は、持っていない顧客よりも明らかに買いやすい。しかも顧客側も、漠然と「いつかゴールドになりたい」「プラチナの先行販売を受けたい」と思っています。後押しが歓迎される、数少ない販促タイミングです。 ステップ2は、この心理メカニズムを、セグメントとメッセージで仕組み化する作業になります。 セグメントの作り方 「あと一歩」をどう定義するかが鍵です。広すぎるとメッセージが弱まりますし、狭すぎると母数が取れません。 うまくいきやすいのは、AOV(平均購入単価)の1〜2回分の幅で切る方法です。たとえばAOVが5,000円のストアで、ゴールドの閾値が累計5万円だとします。このとき、「累計購入額が45,000円〜50,000円の顧客」を「ゴールド昇格目前」セグメントにすると、「あと1回、いつもくらいの買い物をすればゴールド」というメッセージが成立します。 つくるセグメントは「シルバー昇格目前」「ゴールド昇格目前」「プラチナ昇格目前」などです。 さらに条件として「直近購入が90日以内」を加えます。長期休眠者を入れてしまうと、メッセージが届かない、あるいは届いても響かない層が混じってしまい、効果検証がぼやけるからです。「アクティブで、あと一歩」の人だけに絞る、というのがポイントです。 ナッジに入れる3つの要素 メッセージに必ず入れる要素は3つあります。 1つ目は、個別化された根拠です。「あと4,200円でゴールド到達」という、その人専用の数字。「もうすぐゴールドです」だけでは響きません。具体的な金額があることで、ゴールがぐっと近くに感じられます。 2つ目は、昇格後の特典をもう一度見せること。「ゴールド到達で、送料無料・ポイント2倍・先行販売の招待」など、登った先の景色を一緒に示します。顧客は意外と特典の内容を覚えていないものです。...

